「希美~いつまで寝てるの?体調悪いの?」

「や、悪くない…けど、行きたくない」

布団にもぐったまま答える私。

「あー、そう?なら、加賀先生には一応連絡しておくわよ」

ママそういって、部屋から出ていく。

ママは昔から変に詮索してこない。だから、髪の毛もそう。短くなったけど、なんで?とか聞いてこない。「似合ってるんでしょ」ただ、それしか言わない。

ママのそんなところが私にとっては、楽であり過ごしやすかった。

「はぁ…」

ほんとは、先生に会いたいのに。
…もう、さようならなんて辛いよ…。

1枚のメモ紙をじーっと見つめる。

先生の携帯番号とメアド…せっかくもらったのに、かけることなく終わるなんて……