「ちょっ、ちょっと!先生?!」
「なに?」
いやいや、なに?じゃなくて〜っ!!
「いいから、黙ってる」
「あ、はい」
先生は、チョキチョキとプロみたいな手つきで迷いなく切ってく。
ほんとに、大丈夫なのかな…?
10分くらい、切り続けると…
「よし、こんなもんか。鏡見てこい」
言われるまま鏡を見に行く。
な、な、なにこれ…
「すごい!!先生!!」
「気に入らなかったら、美容室で切り直してもらえ」
「ううんっ、気に入った!」
肩までの髪の毛は綺麗に整えられていて…
美容室さんが切ったように綺麗である。
「…前も良かったけど、その髪型も似合ってんじゃない?」
え??
先生は、無表情でいう。
無表情だけど、そう言われたことがなによりも嬉しかった。

