しばらくして、先生は2つマグカップを持って戻ってきた。

「はい」

「ありがとう先生」

マグカップを受け取る。

ホットミルクの甘い香りがする。

少し冷ましてから一口飲むと、やっぱりあの優しい味が口の中に広がる。

「おいしい〜」

「それ、飲み終わったら次、英語ね」

「あ、はい」

英語…ははは。
嫌いな教科No.1っ!

できるだけゆっくり飲もう…。

「できるだけゆっくり飲もうとか考えない方がいいよ?」

「あ、バレました?」

「バレバレ。大丈夫だって、俺が教えてやるんだからできないわけない」

…え、軽く自信満々??

「英語壊滅的ですよ?」

「そんなこと言われなくても顔に書いてある」

そういって私のほっぺを軽くつねる。

先生にほっぺを触られて心臓がドキドキうるさくなる。

「痛いよ、先生っ//」

「ほら、英語やるよ」

先生は、すっかり勉強モード。

「はーい」

私も渋々教科書を開く。

「じゃあ、12ページの英文読んでみて」

12ページか…
開いてみるとこれまたびっくり、読めるわけないじゃん。