その後、先生の仕事が終わって車で私のいえまでおくってもらった。
「先生、ありがとうございました」
「なんも。もし、具合悪くなったら保健室に来いよ?俺のこと嫌いでも」
あ、先生やっぱり気づいてたんだ。
「…すいません」
「別にいいし、嫌われるのも好かれるのも慣れてる」
あ、そうですか。
「とりあえず、無理だけはすんなよ。それじゃ」
……無理だけはすんなよ。か。
私は先生の新しい一面を知ってしまった。
優しい先生を。
笑ったわけじゃないし、
表情が変わったわけでもないし、
ただ、伝わってきた。
先生の不器用な優しさが、
ホットミルクが先生の優しさを表していた。
あの、ホットミルクは先生の優しさの味。

