「行くね、先生」
「ん」
私は早歩きで体育館に向かった。
のだけれど…
「ちょっといい?」
声をかけられて振り向くと、
5人の女子生徒が立っていた。
嫌な予感しかしない…
「先生と何してたの?」
「べつに何も…」
「呼び止められてたよね?」
「もしかして、先生と出来てる?」
「それなら、それで…キモイんだけど」
「っていうか、こいつ…先生に媚び売りすぎ。体弱いとか嘘ついて近づきやがって」
なんて、好き勝手言ってくる。
できてないし、媚なんて売ってないし、体弱いのは事実。
「目障りだよ?あんた」
「そんなこと言われても…」
「ほんっと、邪魔」
その瞬間、
ドンッと強く押され私は床に倒れる。
「あんたには、床がお似合い」
そう言ってそそくさと、
体育館に向かっていく5人。
私は立ち上がれずに、
そのまま座り込むことしかできなかった。
悔しいのか、悲しいのか、
なんでかわからないけど…
目から涙が溢れて止まらなかった。