特別になれますか?


「あ、移動するみたいだぞ」

私達はバレないように、
後ろをついていく。

鈴木さん、楽しそう…
先生は相変わらず無表情だけど…
けど、いつもより穏やかにみえる。
気のせい…かな、

あちらこちら
行くとこ行く所についていって、
夕方ついたのは公園。

「公園…」

カップルが集う公園…
まさか、やっぱり付き合ってるとか?

「希美、悪い…ちょっと帰らんと行けなくなった」

「えっ」

翔也くんは、手を合わせて申し訳なさそうに私の前から去っていった。

ここからが、
大事なとこなのにぃ~!!

とりあえず、
茂みに隠れてふたりの様子を伺う

ベンチに座って何やら話してるふたり。

「今日は、楽しかったです」

「ん」

「考えてくれました?」

「ん」

考えるって、付き合うってこと?

先生って、
生徒に興味なかったんじゃないの?

少しでも特別って思い込んでた私って、
ほんとにバカみたい…

付き合ってもないのに、
隠れてコソコソ尾行して…
ヤキモチ妬いて……

迷惑でしかないじゃん。私。