特別になれますか?


「翔也くん今更ながら、優勝おめでとう」

「ありがとう〜って、なんか複雑な気持ちになるな」

「へへっ」

あー、やばい。
笑ってるはずなのに、視界がぼける
涙目になる

「希美。保健室行こ?な?」

いや、ダメ。
保健室…ダメ。
保健室に行ったら、
クラスに迷惑掛かるし…

それに、

先生と校内歩けなくなる

「ううん。大丈夫だよ」

「…けど」

「希美!加賀先生、迎え来たよ~!行っておいで!!」

「あ、千晃ありが…」

先生が来たという安心感なのか、
私の体力は力尽きてしまった。

遠くに、みんなの心配する声と
私を呼ぶ先生の声が聞こえた。

…あぁ、私って
つくづくダメな女だなぁ