特別になれますか?


こんなに案が出てこないなんて…
いや出てきてはいるんだけど。

「飲み物は、ココアとか紅茶、オレンジジュースとかどう?」

「あ、、」

先生は、麦茶を入れて持ってきてくれた。
そして向かいに座る。

「ありがとうございます」

「それと、ケーキは予算足りなくなるからホットケーキを小さく焼いて3枚くらい盛り付けてトッピングすればいいんじゃない?」

たしかに、、それなら量作れそう。

「あと、クッキー3枚とか5枚とか。クラスにお菓子作れる女子いるでしょ」

先生は無表情のまま続ける。

でも確かにできるかもしれない。
先生はすごい。

「先生、すごいですね」

「別に」

ホットケーキミックスあれば、ドーナツも作れるよね?じゃあ、ドーナツも加えよう!

先生に助けられてなんとか書き終えたプリント。

「いいじゃん。ドーナツ」

「いや、せ、先生のおかげです」

その言葉に嘘はない。
だってホントのことだもん…

「じゃあ、そろそろ帰るわ」

時計を見れば、もう22時。
そんなに時間経ってたんだ…

「こんな遅くまですいません」

「別に。勝手に俺がしたことだし、まぁ…あんまり無理しすぎて倒れんなよ」

そういって、先生は帰っていった。
…先生がいなかったら、私きっと徹夜状態だったよ。