気がつくと、
見慣れた天井が目に入った。

…保健室?

あぁ、私……脚立から落ちて。

「起きた?」

「あれ、先生…私」

「うん、男の子が連れてきたよ。相山さんのこと、お姫様抱っこして」

「え?」

「すごい形相だったよ、脚立から落ちたって。その子の方が重症だったのに」

そういって、顎で隣のベッドを示す。

恐る恐る除くと、ベッドの上で眠っていたのは翔也くんだった。

「相山さんを連れてきたら、力尽きて倒れちゃったよ。いい彼氏持ったね」

「彼氏じゃありませんっ」

「そう」

なんだか、先生は冷たかった。
まるで怒ってるみたいで…

「ま、俺には関係ないけど」

先生のその態度に、私は少しいらっとした。

「すいません、お世話になりました」

ベッドから立ち上がろうとすると、
さっきよりも酷い眩暈が私を襲った。

「相山さん?」

「なんでもありませんから、さようなら!まだやることたくさんあるんです」

私は、眩暈を無視して教室に戻ってきた。