「翔也くんは、優しいね」

「そう?希美の方が優しいでしょ」

「えぇ?」

「理子といろいろあったらしいけど、普通に接すれてるのすごいと思う」

どうして、私こんなに褒められてるんだろう。

「よし、とりあえず…練習しようか」

「そーだねっ」

私たちは台本を読み始める。

といっても、二人で話すシーンって思ったより少ない……。

「なんと、美しい…」

「ふふっ、」

真剣な翔也くんが、なんだかおかしくて笑ってしまった。

「なんで、笑うの」

「だって、真剣に美しいとかいうから~、なんか可愛くて」

「ばかにしてるだろ」

「してないよ」

こんな調子で私たちは、練習を続けた。

「相山さん、ちょっといい?クラス展示の方も手伝ってほしくて」

「あ、はい!じゃあ、翔也くんまた!王子さまかっこよかったよ!」

そして、私は教室に戻った。

この時の私は、自分の身体のことをすっかり忘れていた。