「これ、教室?」
「え、あ…はい」
「ほら、行くよ」
スタスタと先に歩いていく、先生。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
慌てて後ろについていく。
「あの、荷物…」
「いいよ、遅くなったらみんなに迷惑かかるでしょ」
「いや、自分で持ちますよ」
「女の子なんだからそれくらい甘えなよ」
「いや、あの!私…今まで持たせてもらえなかったから」
「身体のせいで?…でも、今はそんなの関係ない。こんな重いもの女の子一人で持つものじゃないでしょう?」
先生の言葉に私は返す言葉がなかった。
「ね?」
「ありがとうございます」
やっぱり、柔らかくなった先生。
気づいたらクラスについていた。
はやいなぁ…先生と一緒にいたらあっという間だ。

