「昨日、車に乗った時もさ?きみって呼ばれてたし、なんか話続かなくて…結局寝ちゃったんだよね〜心地いいね、あの車!後ろ広いし!」
「え、後ろの席座ったの?」
「そーだよ!助手席は、座らせてくれなかったんだよね~。助手に座ろうとしたら、鍵しめられちゃって…仕方なく後ろ座ったらさ、“助手席には、決めた人しか乗せない”って言われたのよねぇ」
「えっ…そーなの?」
「あれは、きっと女ね」
……私、助手席座ってるけど。
いいのかな…無理矢理座ってたら申し訳ないんだけれど…。
「ねぇ、千晃。私送ってもらう時…いつも助手席なんだけど…」
「…えぇぇぇ!あんた、それ!なんで早く言わないの!!絶対それ脈ありよ!!」
千晃は、私の方を掴んでぶんぶん揺さぶる。
教室の前だったおかげでいろんな人が見ている。いや~注目されてるからっ、千晃やめて~!
「いや、ないよ!ってか、もう!教室入ろう」
「あ。そうね…でもあると思うけどなぁ。行動みてたらわかりやすいし、変わったことないの?」
変わったこと……
んー、なんかあったかな…
頭の中の記憶をたどって考える。

