その背中、抱きしめて 【下】




次の日も私は特別に桜井くんと外コートでトス練習をした。


こういう特別待遇、私の私情で申し訳ないけど…でもありがたく受け取っとく。

それでだいぶ私は精神的に楽だから。



部活を終えて着替えてから外に出ると、部室棟の下に相川くんと桜井くんがいた。

「あれ?どうしたのー?誰か待ち?」

「ゆず先輩待ちー」

「えー?私ー?」

なになに、どうしたっていうのさ。


「校門まで一緒に行きましょ」

桜井くんが私の背中を押す。

「えぇ?何で校門まで?電車までじゃないの?」


「校門でバトンタッチです」

相川くんが校門を指さす。




その指の先には



大好きなのに見たくない



その人の姿があった。




「…高…遠くん?」



「ゆず先輩、1週間辛かったっスね。思いっきり甘えちゃったらいいですよ」

桜井くんが私の両肩を叩いた。



「な…んで…?」


意味わかんない。

何が何だか理解できない。

どういうこと?




「翔先輩!連れてきましたよ、ゆず先輩!」

相川くんが大声で高遠くんに向かって叫んだ。