その背中、抱きしめて 【下】




3人で笑いながら歩いていると、相川くんが急に立ち止まった。

2.3歩先に進んだ私と桜井くんが振り返る。


「相川くん?」

「慎一どした?」


2人同時に相川くんを呼ぶ。



「ゆず先輩…。明日まで我慢してください。明日まで耐えてください」

「え…?我慢…?どういう…」


相川くんは下唇を噛んで


「翔先輩のことです」


って苦しそうに言った。


「それ以上は聞かないでください。でも、あとちょっとだから…」

相川くんが下を向いて歩き始めて、私の背中をポンと叩く。


「スパイク練習付き合ってもらえませんか?一也ばっかりズルいです」

無理矢理笑った相川くんの笑顔は、苦しそうだった。



「しょうがねぇから俺も付き合ってやるよ」

桜井くんが手を伸ばして、背の高い相川くんの頭をくしゃくしゃってした。

「っ…!何すんだよっ」

「シケた顔してんなよー!梅雨前にジメジメさすなアホ!」


2人とも優しいね。


「よしっ!体育館戻って桜井くんのトスでスパイク練習だー!私も打っちゃうよー!」

2人の真ん中に入って両方の背中をポンッと叩いた。