その背中、抱きしめて 【下】




桜井くんのトス練に2人して没頭していて、時間を忘れる。

あっという間に部活終了の時間になっていた。


「一也ー、ゆずセンパーイ。もう終わりですよー」


キャプテンに指名されたらしい相川くんが、私たちを呼びに来た。


「あれ?もうそんな時間ー?時間経つの早いね」

「ホントホント。あーめっちゃ楽しかったーー!」

桜井くんが大きく伸びをしながら嬉しそうな笑顔になる。


「なー慎一。ゆず先輩めっちゃすごいんだぞー」

私を真ん中に、3人並んで歩きながら桜井くんが相川くんに興奮気味に話しかける。

「あー?ゆず先輩がめっちゃすごいのは知ってるよ」

「ちげーよ。スパイカー全員の特徴と1番いいアタック打つ打点完璧に知ってんの」

桜井くんのドヤ顔。


(何で桜井くんがドヤ顔なの…)

なんだか2人の会話は微笑ましくて、いつもこっちまで笑顔になっちゃう。


「ゆず先輩、すっごいよくみんなのこと見てますもんね。マネージャーの仕事しながら」

相川くんが私に笑いかける。



この子たちは母性本能をくすぐる。

本当に可愛い可愛い弟たち…みたい。