その背中、抱きしめて 【下】




校庭の横にあるバレーコート2面分の広さの第2グラウンドで桜井くんと2人、鉄柱を立てる。

ネットを張って私は軽く準備運動をした。


桜井くんとパス練習をしながら、雑談をする。

「今日、風なくてよかったね」

「砂乾いてるから風強いとここ悲惨ですよね」

この第2グラウンド(通称”外コート”)は硬い土の上に粒の粗い砂が撒かれているだけでコンディションがすこぶる悪い。

風が強い日は砂が舞うし、かといって水はけが悪いから水を撒くこともできない。

それでも体育館が使えない日や、こういうちょっとした練習にあると便利な場所。


パスから対人パスへ。

相変わらず見事なトスが私の真上に上がってくる。

さすが中学生とはいえ日本一になるだけのことはある。

高校でも十分通用する正確なトス。


「やっぱ、ゆず先輩とパスやりやすいや」

桜井くんが笑った。

イキイキしてるよね、バレーやってる時。

いつもは子犬みたいに可愛いのに、バレーやってる時はやっぱり男の子なんだなーって。

カッコよく見える。