その背中、抱きしめて 【下】




「もし彼氏とダメになったら、俺がもらってやるから」


ベンチに立て膝ついて、膝に伸ばした腕を乗っけて、その腕に頭をコテンってしながらそんなこと言われたら…


(たいがい惚れるでしょ…)


「洋平くん、女子が惚れるツボ知ってるよね」


「…そんなことないよ」



その顔、そんなことなくない。

女子がキュンってするポイントを知ってる。

そんな顔。



「…女の子みんなにそんなこと言ってるんでしょ」


「言ってないよ。どんだけチャラいんだよ」


頭コテンってしたまま少し笑って言う。

(…これも計算か…ミスター胸キュン)



「嘘だぁ」

笑って洋平くんの顔を覗き込んだ。


ふいに手首をそっと掴まれる。





「嘘じゃないよ。みんなになんて言わない。今まで言ったこともないよ」





そんな顔して言わないで。

そんなにまっすぐ見ないで。






これ以上、踏み込まれたら…。