近寄ってきた高遠くんは私の隣に座らずに、ベッドの上に乗り…
そして私の両脇に足を下ろして座った。
後ろから手を回されて私の体は高遠くんの腕の中にすっぽり収まる。
「あの…高遠くん?」
(こ、これは…)
清水くんがいるのにどうした!
こっちを見た清水くんが一瞬驚いた顔をして、そのあと爆発したように大声で笑った。
「不機嫌はそういうことか!子供のワガママかお前!!」
清水くんは高遠くんの不機嫌の理由に気付いたらしい。
「腹いてぇ!柚香先輩といるのに俺に邪魔されたからって、そこまであからさまに不機嫌になんのかよ!」
思いっきりツボったらしく、清水くんはお腹を抱えて笑い転げる。
体をよじって後ろを向くと、高遠くんはふてくされ顔で私の耳に唇を近づけた。
「続き、また今度ね」
高遠くんの声が近すぎて、顔から火が出そうになる。
(アレで心臓止まりそうだったんだから、最後までなんて出来ないかもしれない…)
高遠くんの腕に包まれて緊張しながら、私はぼんやりとそう思った。

