電車を降りて待ち合わせ場所まで急ぐ。
(あぁもうキャリーケース邪魔!!)
待ち合わせ場所には会いたかったその人がもういて、抱きつきたいのを我慢しながら呼んだ。
(公共の場じゃなくてもそんな大胆なことは出来ないんだけどね…)
「高遠くん!」
下を向いてたその綺麗な顔が、ゆっくり私の方を向く。
そして、形の良い唇が動いた。
「おかえり」
その顔がすごく優しくて、抱きつきたい衝動を堪えるのが余計に辛くて
(恥ずかしくて抱きつけないんだけどね!)
色んな衝動と感情をグッと押さえ込んで、めいっぱいの笑顔で応えた。
「ただいま!」

