「その高貴な女性の要望を麗良さんは聞き入れてくれたのですね? 素晴らしいですわ」
「ただの夢じゃない…よね?」
「その不思議な女性の方と本当に会ったと言えば信じますか?」
「夢じゃ…ないって事?」
「女性は霊のような存在だから肉眼では見えない。だから夢の中で姿を見せるようにしたって説明したら?」
「やはり、実在する人なのかな?」
「…」

 千聖ちゃんは何も答えない。

「千聖ちゃん?」

 話しかけた私。

「…」

 千聖ちゃんは遠くを見るような目でジッと黙っているのだ。