ザァ あ…あのときと同じ風… ふと考え込んでいた頭を上げる。 わたしは前を見るなり、固まった。 「う、そ…………」 前から歩いてくるのは、会いたいと願っていたあの人で───── 「会えた…」 感動のあまり考えるより先に体が動いてた。 「あ、あのっ!!!」 その人の目の前に立ち、 「……?」 わたしは、 「好きです!大好きです!!」 いつの間にかそんなことを口走っていた。