桜の木に座り込んでる一人の男の人。 その人は長い脚を組んで爆睡している。 「きれい……」 男の人にこんな表現おかしいかもしれない。それでも、女のわたしから見ても思わず声に出てしまうぐらい、桜と重なってすごく、きれいだった。 男の人のくせに長いまつげ、形のいい薄い唇、茶色で無造作にセットされた髪、まくりあげているシャツから見える筋肉のついた腕… 自分でも分かってしまった。 誰かも分からないけど、 わたし…この人が好きだ。