翌朝、いつもよりちょっとだけ早く起きて、健と二人ならけして作らないような、キチンとした朝ごはんを用意した。


「…ふぁぁぁ~ おはよぉ~… おお!今朝はすごい朝飯だなぁ。やっぱり、うちはいいねぇ。」




「コーヒーがいい?紅茶がいい?」

「コーヒーだな。」

「はぁい。……」




おだやかで、優しい、雅史そのものの空気がいっぱいの朝だった。

私はそんな空気の中に、あらためて心地よさを感じていた。



コーヒーの香りが部屋中に満ちた頃…



家の電話がなった。





「あ、いいよ、おれ出るわ。」

そう言って、雅史が受話器をとった。