今度はその女性と女湯の暖簾をくぐる。
おじさんは男湯の暖簾をくぐっていった。

不思議な絵や、豪華な装飾の入り口が
たくさんあった。

不思議な顔の絵、どこか台湾のような
雰囲気の装飾、日本的な装飾。
どれも不思議だが、なぜだかそそられる。

それぞれコンセプトが違う
お風呂になっているそうだ。
なかでも凄かったのは、
大きな吹き抜けの広場の中央に、
背の高い木があって、木のうろの中に、
下に下りる階段が続いていた。

そして、緑が覆い茂った葉っぱの
あちこちから金色のお湯が流れ出している。

ここが入り口で下に降りると大浴場があった

けれど、ここのお湯に入ってしまったら、
二度ともとの世界に帰れない気がして、
入らなかった。

何故入らないのに大浴場に居るのか、
と不思議そうな目で見られたが仕方がない。

一通り全ての湯を見て回り、そのうちの
台湾風の装飾のお風呂に無理やり
入らされた。ここなら入っても、
取り返しのつかないことにはならなそう、
と感じたので、入ることにした。

目玉のでかい顔の口から、お湯が溢れている

お湯はとろんとしていて、虹色に輝いていた

丁度心地よい温度だ。
全てのもやもやがとれていくような、
そんな心地がした。
ふと上を見上げると、安心させるような、
暖かい色あいのいろんな色の飾りランプが、
高い天井からぶら下がっていた。