Heart of the world

「くそっ、こいつはすげー嵐だっ・・・」

今まで余裕そうだったおじさんが
初めてキツそうに呟く。

「あの灯台に俺たちは光を灯しに
 行かねーとならねーってのに、
 灯台の近くを政府が領海にしやがって
 んだよな・・・。

 あそこが点りゃ、皆が道が示されて、
 大海原を安全に行けるってのに・・・。
 ここはいつもこんだけ荒れてんだから
 特に必要だろうに。

 あー、後、空なら領空は政府のもんじゃ
 ねーから、上から行けるか・・・」

そう一人で問題に向き合っている。

その時、巡視船と、岩のようにでかい怪物が
同時に凄い速さでこちらに向かってきた。

あれらにぶつかられたら、こんな弱い船、
ひとたまりもない。
荒れ狂う海に投げ出され、
怪物に食われる運命だ。

「っち!2対1は卑怯だっての!
 どうすりゃいい!」

おじさんが叫ぶ。

万事休すまで追い込まれた。

その時、