目をつぶっていても、暗い部屋に居れば暗く、
明るい部屋に居れば、明るく感じるように、
段々と閉じた目からも光を感じるように
なってきた。

心なしか、じめじめしたほこりくさい匂いも
太陽の匂いに変わった。

「目、開けてみ?」

そう言われ、目を開けると、

「よし、よくやったな。よく頑張った。
 怖かったな。君なら大丈夫だと思ってたぜ」

歯を見せて豪快に笑ったおじさんに
また撫でられた。

「君の世界だ。綺麗な色してんな。
 俺、この世界なら好きだわ。君は?」

「私も、ここなら好きです・・・」

どうやら、危機は脱したみたいだ。
不思議と気持ちは軽くなっていた。

よし、次な。

暫く二人で気持ちい風に吹かれ、
目に優しい色に溢れた世界を眺めていると、
おじさんの声が聞こえ、うとうとしだした。