誰にも、バレなかった偽りが見破られた。


怖い、この人とは長く居ては行けない


そう思っても、自分にはどうすることも出来ない。



「そんな顔しなくても、誰にも言ったりしない
でも、いつでも助けは求めてきていいから」



頭を触られそうになって思わず、
目をぎゅっと閉じた。

けど、その手は優しすぎるて、温かく感じた。



「俺には、隠さなくていい」



その言葉に、胸が苦しくなった。

これまで感じたことのない思いが
僕の中を駆け巡った。



頭の中は真っ白になると同時に、
竜崎さんに抱き締められた。



その時、自分が泣いているのだと気づかされた


こんなに涙が止まらないものだとは
知らなかった

どんどん溢れ出てきて、どうしたら良いのかすら、分からなかった。



「無理するな、今は沢山泣きなさい」



小さい子供をあやすように
背中をトントンとリズムよく叩きながら、
頭を撫でてくれていた。



僕は竜崎さんの背中に手を回し、シャツを掴んだ。



そのあと、涙が出なくなるまで泣き続けた。