陽裕さんと仲直り出来た。


「依利」



名前を呼ばれた方を向くと陽裕さんの顔が間近にあり、唇と唇が重なった。



「陽裕さん」


「耳まで赤くして、可愛いなぁ」



陽裕さんとキスしちゃった、けど……。



「ひ、陽裕さん、キスは恋人同士でやることですよ」


「だから、俺たち恋人同士だろ」


「陽裕さんと僕がですか?」



どうして、そうなるんだろう?



「さっき、俺のこと好きって言ったし、
俺も依利のこと好きっていったろ」


「あー、仲直りですよね」



あれ、違ったのかな?
陽裕さんが固まってる。



「依利の恋人同士の基準って何」


「相手のことが大好きで、一緒に居たいと思うこと。
それに、キスとかするんじゃないですかね」


「その相手を俺に当てはめてみろ」



陽裕さんが大好きで、一緒に居たいと思う
陽裕さんとキス……。



「今、気づいたのか」


「ぼ、僕と陽裕さんがこ、恋人」


「落ち着け」



仲直りしたって受かれてたけど、恋人同士にまでなれてたんだ。



「鈍感で天然なんだな、依利って。
それにただただ純粋で――」



頭にキスを落とされた。



「本当、可愛い過ぎて困る」