数時間後


トントン


ドアが叩く音が聞こえて、返事をすると
そこには、結月さんが、部屋に入ってきて、ベットに腰かけた。



「依利君、こんにちは」


「結月さん、どうしてここに?」


「母さんから、依利君元気ないって聞いて相談に乗ろうと思ってさ」



みんなに心配かけてたんだ。



「陽裕と仲直りしてないの?」


「仲直りのやり方知りません。
喧嘩になるくらいなら、自分から身を引きます。
謝ってもきっと僕のことなんて何も聞いてくれません」


「でも、その人は陽裕じゃないだろ。
陽裕が依利君のことを聞かないと思う」



僕は首を左右に振った。

陽裕さんは、僕の些細なことまで聞いてくれる。



「依利君は陽裕のことちゃんと見えてない、依利君のフィルターには恐怖と父親が映ってる。

陽裕は、依利君に暴力を振るった?
依利君の言うことを聞いてくれなかった?
依利君は陽裕に言いたいことを伝えたの?」



首を左右に振った。



「ちゃんと陽裕の顔見てしっかり話し合おう。 
仲直りきっと出来るから、依利君の思ってること、陽裕に伝えよう」



僕は、首を縦に振った。



「よし、頑張ろうね」



結月さんは、僕を抱き締めてくれた。

宥める様に優しくて――。