そのあと、陽裕さんは戻ってきてくれたけど、僕と顔を会わせるのは、気まずそうだった。


結月さんは、澪さんの部屋で寝るみたいで

僕たちは、結月さんの部屋で寝ることになった。

ベットはダブルベットだから、それなりに寝れるけれど、陽裕さんは帰ってきてから一度も目を見てはくれなかった。

陽裕さんは、お休みとだけ言って、そっぽを向いて寝てしまった。




それから、数時間しても寝つけず、リビングに向かった。

広くて落ち着かなくて、隅に座った。

少し冷えるので、着ぐるみパジャマを着た。

そして、壁に寄りかかって、膝を抱えた。

そうすると自然と眠くなってきた。

それに、パジャマがとっても暖かくていつの間にか、眠りにつくことが出来た。




 翌朝



「ョ…、クン、ヨリ…」


 
誰かが僕の名前と体をポンポンしているように感じた。

だんだん、頭が冴えてくると、そこには結月さんがしゃがんでいた。



「結月、さん」


「やっと、起きた。
こんなところで寝たら、風邪引いちゃうよ

陽裕と居るの嫌だったのは分かるけど、せめて、そこのソファで寝れば良かったのに
そこにタオルケットもあったんだよ」


「陽裕さんは朝から嫌な奴の顔なんて見たくないですよ。
それに、僕なんかが許可もないのにソファ使うとか有り得ないです」



陽裕さんは、きっと僕のこと嫌になったんだから、僕はこのくらいが丁度良い。

こんな出来損ないは、人の言うこと聞いてれば良い、やっぱり、自分の感情なんて、不要なものなんだ。

あのときみたいに、従ってれば、悪いこと起きない。
陽裕さんは、今のところ、殴ってきたりとかはないし、そうさせないように頑張らないと――。