その日、急遽、お泊まりすることになった。

その為、着替えがなく、結月さんの服を借りることになった。



  結月さんの部屋


キッチンみたくファンシー差はない

けど、全体的に白い。

壁もヘッドも家具も白ベースだ。



「あっ、あった。
ねぇ、依利君、これ着てみない?」



猫のパジャマ見たいなものを出された。



「フリース着ぐるみ、猫バージョン。
どう、来てみる?」



ちょっと、着てみたい。




  お風呂に入り、そのあとリビングへ



「依利、あが、ったの……」



陽裕さん、引いてるのかな?



「あの、結月さんから、借りて。
その……、やっぱり脱いで来ます」


腕を掴まれた。



「大丈夫、可愛いから、と言うか、そのままで居て欲しいな」


「本当、ですか?」



少し涙目で陽裕さんを見上げた。



「うん」


短く返してくれた。

けど、なんか、顔赤い?



「あっ」



声のする方を見ると澪さんがいた。



「おい、そこ座れ」
 


ソファを指差した。


「良いから」



言われるがまま、ソファに座った。

澪さんは、どこからかスケッチブックと鉛筆を取り出し、反対側のソファに座り、僕を描き始めた。



「あの」


「動くな」


「はい」



何か、ずっと見られると――。



カシャカシャ


音の方を見ると、結月さんと陽裕さんが揃って、僕のことをスマホで撮っていた。



「さすが、依利君、似合ってるよ」



は、恥ずかしい。



「澪さん、夢中だね。
絵を描くことに関しての集中力は本当に凄い、妬けちゃうねぇ」


結月さんは、近くの一人がけソファに片膝をたてて座っていた。



「結月のことなら、穴が空くほど見てる。
お前は、身体の隅々まで見られても満足出来ないのか? ふっ、変態だな」



結月さんは、片膝におでこをつきながら、



「いつも聞いてないくせに何でこう言うときだけ……」


「お前をからかうのが好きだから。
それ以外に何があるってと言うんだ」


「澪さん、酷いですよ」


「顔も耳まで赤くして、何が酷いんだ」



結月さんが立ち上がり



「先に、寝室言ってますから」



そう言って寝室に向かった。



「澪さん、あんまり兄さんのこと。
からかわないであげて下さい」


「別に良いだろ、あれはあれで可愛いし。
それに、あれくらいで嫌いになってくれるなら、苦労しなかったよ」



辛そうな顔をしたとき、手も止まった。
けれど、すぐに描き始めた。

さっきの雰囲気と違う。



「本当に仲が良いですね」


「ベットの中ではもっと可愛くて、淫らだぞ」


「それは、聞きたくないです」



澪さんは、優しく笑っていた。



プルルル


陽裕さんの携帯の着信音がなり、
廊下に出て話にいった。