夕食の時間


「兄さん、片付け終わったよ」


「陽裕、ありがとう。
出来たから、食べよう」


「うん」



皆が席に座った。



「頂きます」



皆で言った。



「……、味噌汁が違う」


「あぁ、それ、依利君が作ったから」



もしかして、美味しくなかったかな?



「だから、いつもより、少し薄いのか」


「と言うか、良くわかったね。
僕も気づかなかったのに」


「好きな奴が作った味くらい見分けられる」



結月さんは、嬉しそうに笑っていた。



「依利、料理出来たの?」


「はい、調理器具とかも大好きで、自分の部屋にカタログとか沢山ありました」


「そっか、他に好きなものとかあるの?」



好きなもの?



「…ーキ」


「うん、何?」


「チョコレートケーキが、好き、です」


「そっか。
兄さんがお菓子作り得意だから教えてもらったら」



結月さんと目があった。



「教えて貰えますか?」



「いいよ、教える」



嬉しくて、笑みが溢れた。



「結月、その前にプロットをあげる方が先だ。また、どやされるぞ」


「分かってますよ」


本当に仲が良いんだ。