月に見染められて

引き止めようとする声を無視して歩き出す私を慌てて追うりょう。

「え…?こと知り合いじゃあ」

「いいの、知らないし。」

え?え?とりょうは焦っているが私はすたすた足を進める。

あちらが一方的に知っているだけであって私は知らないのだ。
構う必要も無い。
そんな理不尽な理屈を並べながら私は歩みを進める。

「おい、てめぇ!」

後ろからなにか叫び声が聞こえるが無視。
私は完全無視を決め込んだ。
その日は逃げるが勝ちであった。