「ごきげんよう」ではないだけマシだと思う。
だが、実際の所面倒くさいのは変わらない。

「こと、おはよう。」

私にこうやってフレンドリーに話す人など、この学校には一人しかいない。
なんとも狭苦しい世界だ。

「りょう、おはよう。」

その名は、佐倉 りよこという。

「また変な顔してるよ?また面倒くさいなぁとか考えてたんじゃないの?」

周りに聞こえないように細々と会話する。
イメージが崩れないように。

「おっしゃる通りで。」