月に見染められて

この世界には、こういう奴らが多い。
だから麻薬などという、外道のものを売り買いするのだ。

毎回改めて認識することになる。

「終わったかー、お疲れさん。尊。」

そう言って、もう片方の男を引きずって歩いてくる。

こいつら2人は身柄を警察に突き出す。
麻薬は持ち帰り、私達で処分する。
それが警察と交わされた契約だった。

担当の警察官に連絡を入れ終わり、私達は帰ろうとする。

「うし、帰るかぁ。…ん?」

総司が何かを見ている。

「ありゃー、面倒なのにあっちまったぞ。」

面倒なの?
私はまだ理解していなかった。