月に見染められて

「ごめん、それは出来ない。あの日から私は覚悟を決めた。それは曲げられない。」

「そうか…。」

少し寂しそうに兄は頷く。
心配かけているのは分かってる。
それでも私にとってそれはしなければならないことだった。

そういえば…と新しい話題を振ってくる。

「知ってるか?最近、裏で大きくなりつつあるグループの名を。」

その話題は今の裏社会ではほとんどの人間が知っているであろう。

グループ名は【killer】