2ヶ月ぶりに見たハルトの姿‥。

嬉しいけど、

───こんなに苦しい。


私を凍らせた魔法はハルトの視線をあびるとようやくとけた。


「‥‥!」


ハルトが小さく息を飲むのがわかった。


それを見たとたん、私は弾かれたように走り出した。

ハルトの視線から逃げるように‥

信じたくない現実から目をそらすように‥‥。



「‥はぁっ!‥」


息があがる。

けっこう全力疾走してしまった‥。

昔から逃げ足だけは早いねって言われて来たくらいだけど…そんなの今は嬉しくない。


見たくなかった。


綺麗なひと。


ぴったりとハルトに寄り添って、
笑ってた‥‥。


「‥‥っ!」


我慢できなくなった涙がぽたりと落ちていく。


嘘だ!

こんなの嘘だよ‥!!


なんだかんだ言っても心のどこかで信じてた。

その反面、
こんな場面も覚悟していたのかも知れないけれど‥。

覚悟と現実は全然違うよ‥ねぇハルト。


私、辛いよ‥‥。

こんなことなら優しくなんて、してほしくなかったよ‥‥。