ヤヨはそう言って悲しそうな顔をした。


私、そんなふうに見えてたの‥!?


いつも家では辛くて苦しくて、
でも学校では楽しかった。
マユやヤヨやサトルがいたし、普通の高校生でいられたから。


でも心の中ではいつのまにか壁を作っていたのかな?

嫌われたくない‥
寂しいキモチを隠すために?


「ねぇナナ‥私もマユもナナのこと大好きだよ?何も心配しなくて大丈夫だよ?」


「‥ありがと‥」


うれしくて泣きそうになる。


「私たちはナナを信じてる。私たちのことも信じて?ありのままを言って?泣いてもいいし、気も遣わなくていいんだよ?」


「ヤヨ‥‥ありがと‥ごめんね‥」


涙が溢れた。
ヤヨも泣いてた。


周りの目も気にせず。


私は自分を守るために親友にさえも悲しい思いをさせてたんだね。

大好きなのに、
心配かけたくないと思いつつ逆に心配かけてたんだね。


「…これからはなんでも言っちゃうし甘えちゃうよ?」

涙声で言うとヤヨも鼻声で答えた。


「絶対だよ!」


ふたりで目を合わせて笑った。


「あとさ、サトルのことだけど‥‥」


ヤヨは遠慮がちに切り出した。