「‥そっか。」


サトルはぽつんと言うとひとつ頷く。


「わかった。」


そう言って私に背をむけた。


「ごめんね‥」


友達‥

大好きな友達‥

───偽りの彼氏‥



私がサトルにしてきたことは結局ただの裏切り。

サトルをいいように使っただけなんだ…。


寂しさを紛らわす道具の様に‥‥。


サトルがどんな気持ちで別れを切り出したのかも知らず、簡単に返事をして。


馬鹿だ。
私は本当に馬鹿だ。



子供で我が儘で自分勝手で‥。

私の心にまた大きな穴が開く。
それは自分で大きくした暗闇。

自分を守るために相手を傷つけて来た代償──。



「ばいばいっ!」



無理に明るく振る舞ったかのようなサトルの声が胸に刺さるようで痛かった。


恋をして知ったこと。




───私は最低だ‥。