「わぁっ!」


急に声をかけられてびっくりして振り返ると…


教室の入口にサトルが立っていた。


「‥サトル。」


部活だったらしくサッカー部のジャージ姿だった。


「部活?」


私は何を言ったらいいのかわからなくてつまらない質問をしてしまう。


「あぁ。」


返事をするサトルもなんとなく気まずそう‥。


しばらく黙って時間を過ごした。


その沈黙を破るようにサトルが言った。



「マジで別れんの?」


‥‥!?
え?


「‥‥?」


言葉に詰まって相変わらず突っ立ってるサトルを見上げた。


「あ〜!だからー!マジで俺達別れんの!?」


「‥‥だって‥サトル別れよって‥」


ちんぷんかんぷんなまま答える。


「言ったけど!でも、かっこわりぃけどお前のこと試したかったって言うか‥かまかけたって言うか‥まじだせーけど!」


サトルは少し目を伏せた。

長い睫毛が影を作っている。

──長いなぁ睫毛‥なんて思いながら呆然とサトルの顔を見つめてしまう。


まさか、

そんな気持ちでいたなんて‥‥。