小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

お母さんの言葉に心が少しだけ軽くなった。


だから今日もこうしてある程度普通に学校に来ることも出来たのかなって思う。

でも、そのことは私の心の中にしまっておいた。



話を聞き終えるとヤヨは言った。


「なんなの?」


「わからない。ヤヨはどう思う?」


「う〜ん‥話を聞く限り、私にもハルトさんはいい人に思える。だからなんで突然連絡がなくなったのか不思議。」

さすがのヤヨにもやっぱり難しいらしい。


「私、理由が知りたい。でもね、理由を知って傷つくのも怖いの。立ち直れなくなりそうで‥」


「ナナ‥」

マユはため息をつくと言った。

「絶対理由は聞くべきだよ!すっきりしないし!それにこのままじゃナナ、前に進めないよね?ねぇヤヨ!?」


マユがそう言うとヤヨは意外なことを言った。


「‥そうかなぁ‥?理由なんて必要?この夏のハルトさんはたしかにいい人だったと私も思うよ?でも、結果ナナは傷ついてるわけじゃない?もう忘れて別の道を進んだ方がいいと思う。」