小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

ヤヨはなんの躊躇もなくズバリ聞いた。


「‥うん。結構前に、メールで【別れよ】って来たから【わかった】って。」


「‥‥はっ?それだけ?」


「‥うん。」


「…そっか。でもナナがサトルを恋愛対象とし見れてない気はしてたから、まぁうなずけるな!」

ヤヨはうんうんと自分の言葉に頷く。

「でも私にはナナが恋してるように見えるんだけど、なんかあったでしょ?」

「えっ!?そんなふうに見える!?」


───本当にヤヨはするどい。



「ナナ、今かなり落ちてるからさ〜‥昨日‥マジで大丈夫だった!?」

マユが心配そうに言うとヤヨは話の先を促すように私を見つめた。


「私、好きな人出来たの‥。」

搾り出す声。

話したくて仕方なかったのに、いざ話そうとすると切なくてうまく話せそうにない‥。



「サトルと別れたことの原因はそれ?」

「あっ!それはない!別れてから、好きになったの。」


ヤヨの質問に慌てて答えた。

「‥なら、いいんだけどね‥。それで?」


私はこの夏にあったハルトとの出会いと別れを話した。

うまく話せてたかどうかはわからないけれど‥。