小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

「ホントに、ホントに大丈夫?」


あれからファミレスにどのくらいいただろう?
マユはただ抱きしめていていてくれた。


ファミレスを出たところでマユが念を押す。

「ほんとーにひとりで帰れる?てゆーかひとりで平気?うちに泊まる?」

マユはそういって心配そうに私の手をとる。


「ううん。大丈夫!ひとりで帰れるよ!ありがと!」


私はマユの手をギュッとにぎってからそっと離した。


「‥そう?‥気をつけて帰るんだよ?」


マユはそう言うと遠慮がちに手を振った。


「バイバイ!明日学校でねっ!」

「うん‥バイバイッ!」


私たちはファミレスの前で別れた。


──ホントは‥

ホントはマユといたかった。

苦しい想い聞いてもらったり、
泣いたり、
甘えたかった。

でも、
私にはそれが出来ない。


私には、出来ないんだ。


だって…マユはきっとこれからタケと会いたいよね…?
仲直りしたばかりのタケと会わせてあげたかった。

ううん。

───会ってほしかった。

邪魔したくなかった───。


───マユのことが大好きだから‥。