小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

夕方になっても外の暑さは変わらない。


今年は猛暑らしい。


お母さんとチカと2日遅れのお誕生会をした。


久しぶりに3人で笑い合った。


もしかしたらこのまま“家族”になれる気がした。




でも‥‥




「ただいまぁ!」


そのオトウサンの声を合図に私は席を立つ。


「ごちそうさまっ!」


「あっ!お姉ちゃん‥」


チカの声を背に受けながら階段へと急ぐ。




‥‥私はオトウサンが怖い。




何かされるわけではない。

でも‥怖い。


それはトラウマなのかもしれない。


逃げるように自分の部屋に入りドアを閉める。



少しホッとする。



───何してるんだろ‥‥。


逃げてちゃ何も変わらないのに。


ふと机の上に目をやると携帯が光っていた。


メールが来ている印だ。


私は部屋のあかりを点けると携帯を手に取る。


‥‥!


ハルトからだ!!


ゲンキンなもので自然と笑みがこぼれる。