家に着くと数日ぶりにお母さんとチカに遭遇した。


「お姉ちゃん!!やっと会えた!」


チカが満面の笑みで向かってくる。


「お姉ちゃんお誕生日おめでとうっ!」


チカはそう言ってから「あっ!」と声をあげると自分の部屋に走る。
戻って来たチカの手にはかわいらしい包みがあった。


「はい!プレゼントだよー!」


差し出す小さな手。


「‥ありがとう。」


そっと包みを受け取る。


するとお母さんがいつの間にか横に立っていた。


「ナナ、お誕生日おめでとう。2日も遅れちゃったけど‥。」


そういって赤い小さな紙袋を手渡してくれた。


「あ‥ありがと‥。」


照れ臭くてうまく言えない。


でも

とても嬉しかったんだ。


「お姉ちゃんお誕生日の日、ちっともお部屋から出てこないんだもん!ご馳走も食べないし!」


チカがぷぅっとふくれた。

たしかにお誕生日の日、
ごはんだよって何回も呼んでくれたのはチカだった。