必死の私を見てマユは笑顔を消した。


「いゃ‥う〜ん‥そういうこともあるかなって。」


言葉を濁すマユ。

この時マユは私の気持ちに初めて本気で気付いたみたい。


──本気だ、
…って。


「そっか‥‥。」


なんか胸に突き刺さった気分。


部屋にふたりきりで‥なにもないってことは‥やっぱり私のことを女として見てくれてはいないのかな‥‥?


「ナナ‥でもハルトさんは『絶対何もしないから‥』って行ってナナを部屋に連れていったんだもんね?」


「‥‥うん。」


「だから逆にナナのこと大切に思ってくれてるのかもよ?」


「‥‥そうなかぁ‥。」


「そうだよ!」


マユに励まされながらいつの間にか涙が溢れてきた。


「ナナ〜!泣かないで!」


マユがギュッって抱きしめてくれた。


───私にはまだ恋がわからない。

初めての恋にただ飲み込まれるように不器用に進むことしか出来ない。


ハルトの気持ちが…
わからないよ…。