ハルトはもう一度キッチンに消えるとキレイなピンク色の瓶を持って再び現れた。


「なぁに?それ。」


私が聞くとハルトは


「シャンパン!ずばり色で選んだ!」


そう言うと笑って眉毛を下げる。

私はこの顔にヨワイ。

胸がトクン──…
と波打つ。


「食べよっか!ほら、皿!」

ハルトが差し出したのはかわいらしい薔薇の花がちりばめられたお皿。

とても男の独り暮らしで使うような代物ではない気が‥。



「いつも使ってるの?このかわいいお皿。」



「買ったよ!うち皿ねぇからさ!100均だけど!」


ハルトはそう言って笑った。



わざわざ買ってくれたお皿はピンクと水色の色違いのペアで、なんだか嬉しかった。


ケーキを切り分け、シャンパンを注ぐと、


「じゃ、ナナ16歳おめで‥」

「ごめーん!その前にトイレ!」


立ち上がってトイレに行こうとする私にハルトが慌ててついてくる。


「なにっ!?」


「ちょー待って!!」


ハルトは焦って何かゴソゴソすると


「はい!いーよ!」


何やら訳のわからないままトイレに入り部屋に戻った‥‥。