なんでだろう?

ランプの光ってこんなに綺麗だった?

ノスタルジックにゆらゆらと揺れて‥‥。



その向こうに綺麗なハルトの顔。

優しい少しだけたれた瞳。

よく焼けた黒い肌。



お料理が次々と運ばれて来て私は初めてのコース料理にあたふた。


気付けばもうデザートまで来ていた。


りんご酢を使ったシャーベットは口の中にすっぱさが広がって‥何だか知ったばかりの恋みたい‥‥。


あのシャーベットの味、もしももう1度味わうことがあったなら‥‥
あの時より少し甘く感じるかもしれないな。


あの後、
私は人生のすっぱさをいっぱい知ったから‥‥。


なんて言ったら、ハルトきっと爆笑するんだろうな‥‥。


眉毛を少し下げて‥‥


困ったみたいな優しい笑顔で‥‥。



「出よっか。」



私たちはレストランを出て車に乗った。