小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

「ホント昨日はゴメン!」



車に乗り込むなりハルトは両手を合わせると頭を下げた。



「えっ‥‥」


その姿にもう何も言えず
「もういいよ」
って笑ってしまった。


気になってしまうってわかってるのに問いただせない“理由”‥‥。

私は弱い。

でも頭を下げて謝ってくれるハルトを信じてもいいかなって思ったんだ。



「飯、食いに行こう!」


ハルトはそう言って車を走らせる。

車の中ではたわいもない話をして笑い合った。


やっと16歳かぁ。
とか

ひょっとして二十歳とかオッサンって思ってる?
とか



そんな他愛もない話をしながら。



着いたのは高そうなレストランだった。


黒いワンピ着て来て良かった、って本気でほっとした。



ハルトはディナーのコースをオーダーしてくれて私たちはアンティークなランプの光を挟んで向き合った。



ヤバイ‥‥。



照れちゃう‥‥。