11:32


《送信しました》



私はケータイのその文字を満足げに見つめるとゆっくりとベッドに横になった。


そのメールを送ると、少し気分が晴れた。

このままつわりもどこかに行っちゃえばいいのに…。

そんな調子のいいことを考えてフッと笑った。










「…ん…」


少し眠って起きるともう午後だった。


「やっば…寝すぎた…。」

少し寝ぼけながらも癖になっているお腹をかばう仕草でベッドから起き上がる。

「赤ちゃん、元気かな…?」


お腹を撫でながらつぶやく。









「やっぱり手術しません!産みたいです!!」


そう、産婦人科に電話して手術をキャンセルしてからまた1回健診に行った。


「産むことにしたんだね。頑張りましょうね。」


優しい顔で先生は笑ってくれた。


「はい!」


そう返事した私に迷いはもうなかった。

超音波で見た赤ちゃんは1回目に見たときよりもまた少し大きくなっていて、もっと人間らしく成長していた。